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一つの公共事業をきっかけにさまざまな分野にその恩恵が波及していって、経済活動が活発化され、景気が上向いていくはずだというのが「景気対策」としての公共事業の基本的な考え方です。 一方、「減税政策」は、個人や企業への課税負担を軽くすることによって、個人の消費活動や企業の設備投資の拡大を促し、経済活動を活性化させていくというものです。
例えば、個人の給与などに課される所得税を一時的に減らせば、その分消費に回せるお金が増えます。 これが実際に消費に向かえば、さきほどの公共事業と同じように、その恩恵がさまざまな分野に波及し、結果的に景気が上向くと考えられるわけです。
ただし最近では、これらの「財政政策」が景気を上向かせる効果はあまり大きくないという指摘があります。 かつて道路がまだ十分整備されていなかった時代であれば、その建設を手がける建設業界などになり、数値の上ではほとんどプラスの波及効果は見られなくなっています。
また「減税政策」の場合は、人々が減税分を消費に回すとは限らないため、波及効果はさらに小さいといわれています。 80年秋以降の世界的な景気後退の中で、政府による「景気対策」への期待感が高まっています。
「百年に一度」と呼ばれるほどの深刻な経済情勢にあるだけに、国民の不安感を取り除く政策は必要でしょう。 公共事業や減税も景気を支える補助的な役割はありますが、これによって景気を劇的に回復させるような効果は期待できません。
そこで、政府が予算を投じるのではなく、民間の活力を使うことによって経済成長を促そうという政策も重要となります。 「規制緩和」をはじめとする構造改革がこれにあたります。

恩恵を与えるのはもちろん、道路網が整備されることで、運輸や観光をはじめさまざまな産業にプラスに影響します。 結果的に、国内の経済全体に活気を与えていくことが期待できました。
しかし、すでに日本では道路網が全国的に整備されていますから、これからさらに道路を建設したとしても、かつてほどの大きな経済効果は期待できません。 そんな中で、政府の裁量で道路建設などを決定しても、むしろ税金の無駄遣いに終わってしまう可能性があります。
「公共事業」によって、経済の規模がどれくらい拡大したかを表す数値に「公共投資乗数」があります。 仮に1兆円を投じて、経済活動の規模が2兆円分増えたとしたら、公共投資乗数は「2倍」と表されます(実際の数値の算出はもっと複雑です)。
高度経済成長時代の公共投資乗数は2倍を超えていましたが、最新の乗数は「1倍」前後。 以前から規制緩和の重要性は叫ばれていましたが、とりわけ肌年に発足した小泉政権の時代にはその機能があらためて重要視されました。
この流れは、その後の政権にも受け継がれており、3年には「規制改革推進3か年計画」が、例年には「規制改革・民間開放推進3か年計画」が繍昌構造改革特区」で株式会社でも農業ができる日本電信電話公社がほぼ独占的に扱ってきましたが、稲年にこの公社が民営化されると同時に、他の民間企業も電話事業に参入できるようになりました。 この結果、この分野にも企業間競争が起こり、料金の値下げやサービスの向上が図られるようになりました。
日本には、政府による規制によって産業活動が抑制されている分野があります。 また逆に、制度が未整備のために新しい産業が生まれにくくなっている分野もあります。

こうした制度を抜本的に見直して民間の活力を引き出し、日本経済を再び成長軌道に向かわせるような改革のことを総称して「構造改革」と呼んでいます。 代表的な構造改革型の政策に「規制緩和」があります。
規制が緩和されたことによって産業活動が活発化した例としては、古くは「電話事業」などがありました。 「ぬるま湯体質」が常態化して、税金の無駄遣いやサービスの劣化を招くおそれがある規制が厳しすぎる場合競争原理が働いて無駄が減り、値下げやサービスの向上が期待できる厳格な規制が必要な公的サービスや事業分野もあるが、規制の弊害が目立つ分野もまだまだ多い。
これまで銀行中心だった日本の金融システムを改め、株式や債券などを取引する「証券市場」を通じて世の中の資金がより有効活用されるようにも進んでいます。 このほかには、金融に関する制度を見直して、「貯蓄から投資へ」を推し進める改革促すものです。
これも広い意味では、構造改革の一環といえます。 例えば、従来は設立して間もないベンチャー企業は、銀行から資金を借り入れるのも株式を発行して資金を調達するのも難しいものでした。
しかし「マザーズ」や「ヘラクレス」といった新しいタイプの株式市場が整備されたことにより、ベンチャー企業であっても大きな資金を調達しやすくなりました。 これは結果的に、日本国内に新たなベンチャービジネスが生まれるのを促し、経済を活性化させていくことにもつながります。
実施され、さらに師年には「規制緩和推進のための3か年計画」が閣議決定されています。 またこの間、「構造改革特区」という新たな規制緩和策も導入されました。
これは政府の主導ではなく、地方自治体の主導によって規制緩和策を進めていこうというものです。 各自治体が規制緩和策を提案し、政府がそれを認めると、その地域だけに規制の緩和が実施されます。
例えば、株式会社が学校経営や農業に参入することは禁じられていましたが、この構造改革特区制度により、部分的に参入できるようになります。 優れたベンチャー企業を生んで育てる地方自治体の主導で規制緩和を進めていくしくみ。
各自治体が規制緩和策を提案し、政府がそれを認めると、その地域にだけ規制の緩和が実施される。 政府・日銀と経済の関係を知る構造改革特区は、地域社会・経済の活性化が期待できる。
成功事例を全国的な規制改革に反映させることで、国全体の社会・経済の活性化につなげられる。 競争が促進され、育児や介護を意識した新しいタクシーサービスをはじめた事業者も出ています。

その点は規制緩和のプラス効果だといえます。 むしろ、むやみにタクシーの台数を増やしてしまったり、タクシー運転手に法が定めた最低賃金を支払わないようなタクシー事業者への監督・取り締まり体制が十分でなかったことが、大きな問題だったと考えられます。
繊診派遣を規制すれば新たな問題が生まれる80年秋以降の景気悪化の中で論議の的となった派遣労働規制の問題も同じことです。 最近では、規制改革をはじめとする「構造改革」に対して批判の声も少なくありません。
「格差」を生み出した大きな原因であるという意見もあります。 この問題は、どのように考えたらよいのでしょうか。
例えば、他年2月にタクシー事業の規制緩和が実施されました。 新規参入がしやすくなり、また事業者がタクシーの台数を増やすことも容易になりました。
この結果、タクシー運転手の所得が低下した上、労働環境の悪化により事故が増えたという指摘もあります。 問題なのはむしろ、適切な派遣契約を結ばずに労働者を派遣したり(偽装派遣)、法律で禁止されているはずの業務や職種に働き手を派遣するなど、違法行為が頻発していたことです。
それを適切に監視するしくみがなかったことも大きな問題です。

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